イギリスの建築家Cedric Price(セドリック・プライス)の著作。タイトル“Re:CP”は名前のイニシャルを示すと同時に、その発音から“recipe”(調理法)の意味もかけられている。それは「料理」というのは発想が試され、食べた人からすぐに反応が返ってくるという点で「建築」と喩えることができるという彼の考えから来たものだ。というわけで本書はPrice独特のユーモアある視点で彼自身のドローイングやピックアップされたイメージを交え、建築に纏わる様々なアイデア集といった構成になっている。編集とインタビューをしているのは“Murtations”展等も手がけた気鋭のキュレーターHans Ulrich Obrist。序文はRem Koolhaasによるほか、1975年の磯崎新著『建築の解体』のPrice論が新しい後書きを加えて掲載されている。表紙には「著者の考えが変わるまでの期限」として「2006年5月1日」という“賞味期限”を記す洒落も仕掛けられているが、その期限を待たずこの夏に逝去してしまった。
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