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書籍名: |
物と経験のあいだ カルロ・スカルパの建築空間から
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著者名: |
木内俊彦 |
発行所: |
みすず書房 |
判型: |
菊変 |
ページ: |
424 |
価格(税込): | ¥ 7,480 | 価格(税別): | ¥ 6,800 |
発行年月: |
2024.12 |
商品コード: |
62209680 |
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20世紀ヴェネツィアが生んだ異才カルロ・スカルパ(1906-78)。その建築体験は、「ここ」にある気配と「むこう」への予感に充ちていて、特別だ。なぜ、そう感じるのか? そこには「空間を変移させる」デザインが仕組まれている。多数の写真と図を用いた分析により、物と人間の関係から生まれる空間の原理(仕組み)を明らかにする。 それを説き明かすにあたって著者は、古代ギリシア、古代ローマからゴシック、ルネサンス、バロック、モダニズム、そして均質空間へといたる建築の歴史を、空間解釈の歴史として定義しなおす。建築とは、物(構築的)であると同時に経験(現象的)であり、空間とは、それらをつなぐ人間の能力である、という視点が、あらたな建築空間への鍵となると考えるからだ。 伝統と近代、建築と都市、新しい物と既存の物、人工物と自然物――それらを統合する空間にとりくみ、歴史的到達点としての建築空間を創りだしたスカルパ作品を読み解く、真摯で果敢な建築空間論。
■目次 ・第I部 建築の空間論 第1章 建築空間とは何か なぜ建築の空間に着目するのか? 建築空間の定義(仮) 空間デザインのテーマ 空間デザインと権力 カルロ・スカルパについて 第2章 建築空間の仕組み 三つの空間図式――放射空間・包囲空間・開口空間 穴と群――空間変移を引き起こす二つの仕組み 建築空間概念のまとめ――定義・デザインのテーマ・仕組み 空間概念とは一般的なものか? 特別なものか? カルロ・スカルパの建築作品に見られる空間変移のデザインパターン 建築空間の仕組み まとめ 空間図式と変移パターンを組み合わせた四極構造
・第II部 空間論の広がり 第3章 先行理論との関連 均質空間に対抗する理論 第4章 カルロ・スカルパ建築の経験 カノーヴァ美術館 石膏像ギャラリー(ポッサーニョ、1957) ヴェネツィア・ビエンナーレ 彫刻庭園(ヴェネツィア、1952)
・あとがき ・図版リスト ・文献リスト
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