|
書籍名: |
構造デザイン講義
|
著者名: |
内藤廣 |
発行所: |
王国社 |
判型: |
四六 |
ページ: |
240 |
価格(税込): | ¥ 2,090 | 価格(税別): | ¥ 1,900 |
発行年月: |
2008.08 |
商品コード: |
86073040 |
|
|
建築と土木に通底する構造デザインとは何か。 「海の博物館」「安曇野ちひろ美術館」「牧野富太郎記念館」「島根県立芸術文化センター」など世評高い作品の建築家が行った東京大学社会基盤(土木)学専攻での講義の集成。古代ローマの組積造・アーチ構造から近代建築(モダニズム)をつくったスティールやコンクリート、新たに見直されている木造まで、実際に扱う物質の性格や使い方をとことん追及しながら、背後にある歴史的時間や世界観も視野に入れ、「デザインとは技術の本質に迫り、根源的な人間の本性と思考に根ざしているものだ」と説く。今起きている「現場の空洞化」に危機感を持つ著者は、若い世代に向けて「デザインマインドをもて」「自分の頭で考えろ」と熱いメッセージを贈る。 ■目次 ・はじめに ・1章 総論 構造デザインという奇妙な言葉/どこにでもある危機/解析技術の高度化と空洞化/現場に救ってもらうこともある/構造デザインの意味/技術の翻訳/場所の翻訳/時間の翻訳/自然の中に美しさを発見する/構造体のイメージへのヒント/新たな形で再構成する/身の回りのものについて考えてみる/美しさの中に構造を発見し力学で再構築する ・2章 組積造 石の精度を求める感性の高さ/組積造の歴史的時間/「ビルディング・フットプリンツ」に見る構造技術の変遷/古代ローマ/ロマネスク/ゴシック/ルネサンス/バロック/ロココ/産業革命前夜/近代建築の誕生/最後の組積造建築家、アントニオ・ガウディ ・3章スティール 災害現場から学ぶこと/WTC崩落事故で何が起きたか/朱鷺メッセ連絡橋落下の想像力/鉄という材料について/軽量鉄骨と重量鉄骨の使われ方/身の回りにあるスティール/防火・耐火の基礎/スティールがたどった歴史/アイアンブリッジ/大温室/スティールの時代/ギュスターヴ・エッフェル/オットー・ワグナー/ゴールデンゲートブリッジ/二十世紀を彩るスティール ・4章 コンクリート 対照的なスティールとコンクリート/コンクリートは「時を刻む素材」/「打放し」表現とエイジング/自信は極めて個性的で個別的/コンクリートの種類と工法/低下するコンクリートの品質/SRC造/コンクリート建築物とその立役者/オーギュスト・ペレ/ロベール・マイヤール/エドゥアルト・トロハ/フェリックス・キャンデラ/ル・コルビュジエ/ルイス・カーン/丹下健三/前川國男/本当のエンジニアとは何か ・プレキャストコンクリート 高度な技術をもつ両義的な素材/プレキャストコンクリートの変遷/プレキャストコンクリートの実用/ポストテンション工法の現場/予備知識/プレキャストコンクリート・ポストテンション・組立構法/「PC」を使った建物の実例/海の博物館/茨城県天心記念五浦美術館/十日町情報館/モノ作りの現場に空洞化が起きている ・6章 木造 木造の可能性/「木」は危険な材料/「木」を排除した時代/「京都議定書」と木材利用の促進/木材の優れた性能/多矛盾系」にみる東洋的な価値観/部分の系と全体の系をどれだけ往復できるか/地震と木構造に対する偏見/日本の木造文化/集成材の登場/木造橋小史/現代の木造建築/海の博物館/小松ドームコンペ案/安曇野ちひろ美術館/牧野富太郎記念館/倫理研究所富士高原研修所/日向市駅/高知駅/木造にとってリダンダンシーとはなにか ・7章 構造デザインの最前線 エンジニアの豊かな感性/コンピューターの進化とブラックボックス化/ものをつくるれべるの空洞化/デザインとシステム/構造のポストモダニズム/ビルバオグッゲンハイム美術館/ミレニアムブリッジ/横浜港大さん橋/せんだいメディアテーク/バレンシア近代美術館・拡張計画/フィレンツェ新駅のコンペ案/中国の最新プロジェクト/開かれた空気環境の設計/個別的で地域的な空気環境/牧野富太郎記念館/日向市駅/高知駅/アーキテクチュアとは構築する意志/最後に ・おわりに
|
|
|
|
|
|